2013年 03月 19日
なべさんを恋うる日 (3/19)
ゆうびんやさん おとしもの おてがみ 1まい2まい・・・nまい。縄跳びの歌。
同日、最後の短歌がこれ。辞世の句になったんですね。
こまごまと母にまつわる事柄を思う彼岸の曇りの朝に
なべさんのブログは既に閉じられてしまって、もう見ることはできないのですが、ツィッターが残っていました。そこからちょうど1ヶ月分の、短歌―26首と俳句(川柳)―28句を拾い出して保存しました。さらにその中から私の好みを選んでみました。
母恋し彼岸の入りに雨が降る
円安はそれはそれとて心配だ日本が安くなった気がして
賞味期限過ぎちゃったから食べてよとカレーの夕餉に豆腐出てくる
春昼やさてAVを見てみるか
コーヒーをこぼして妻の小言聞く日の差しきたる朝の厨に
何もせず日を送りつつただ胸に澱を積もらせ生きている我
起き抜けの水のうまさよ震災忌
特別な日付となりぬ猫の背を撫でつつ煙草吸う我が無力
妻が部屋の汚さなじる今日もまた結局こうした日々が幸福
美容院へ行くという妻機嫌OK! 猫なで声で我と猫呼ぶ
霾やフロントガラスに知らせあり 「霾」は「つちふる」または「ばい」と読んで黄砂
今日限り退職という看護師の鳩羽色したカーディガンかな
君の肩細きこの春初めてのサシバ見上げて指差す時に
妻もはや我支配する女王か母かやっぱり糟糠の妻
重々と十一日は近づける直視するべきものある三月
ムチ打てど飴もまんべんなく配るプーチンが勝つかの大国は
春の夜や高梨沙羅を膝に乗せ
ねこにゃんにゃんこねこみゅうみゅうひぐれてく
信長も秀吉も家康も死すしたがって吾もいずれ死すらん
あの日より朝がくるたびほっとする変わりなき山変わりなき村
1年経っても、こんな時に、なべさんだったら何と突っ込んでくれたろうと恋しいのです。
写真は、なべさん家のかんすけとあっちゃんです。元気だそうです。
なべさんの twilog は、ここ→http://twilog.org/kannsuke_
今夜と明日、祐様が出るドラマがあります。みんな、見よう。
しかもたくさんの秀逸な俳句をピックアップしてくださって。
本当に淋しい。一年経っても淋しい。
なべさんがいたらこんなときはこんな風にっていつも思います。
かえすがえすもご本人にお会いできなかったのが残念でたまりません。
こうして一緒に偲ぶことができることに感謝します。
去年、訃報を知り、2人で泣いてしまいましたっけね。