2012年 03月 15日
私のカミサマ (3/15)
宗教批評家という肩書きが、私には新鮮なのですが、その宗教批評家中村圭志さんの、人はなぜ「神」を拝むのか?という本を読みました。かなり前に、新聞にコラムがあり、わかりやすくて興味が湧いたので、図書館にリクエストしました。
私は、荒っぽく分類されたら、無宗教でしょう。でも両親は折に触れて、平均的な宗教行事は取り入れてくれたし、息子にもクリスマスやお正月や盆踊りやお祭などの楽しいイベントは経験させました。結婚式は本意ではなかったけれど、普通にやりたかった親たちの願いに沿いたかったから神前だったし、いっちゃんのお葬式は、本人の無宗教でという希望をかなえるエネルギーが残っておらず、仏式でした。
中村さんの言う「カミサマ」は、「神」「仏」「霊」「ご先祖様」といった「聖なる存在」全般のことです。
私はカミサマが存在しているとは思ってないし、死後の世界があるとは思えません(亡くなった人は、思い出の中に存在しているだけ)。でも生きている限り否定はできないし、信じている人達を、直接私を説得するなど無理強いさえされなければ、尊重します。キリストやゴータマシッダルタやマホメッドが実在の人物であるのは、知識として知っています。
私は宗教は概念だと思ってきましたが、中村さんは観念と書いています。そうですね、概念は物自体に関してであって、心の働きが加わるという点で、観念の方がふさわしいです。これからそうします。
私だって、お天道様が見ていることが、行動の防波堤になる感覚はあります。何か大きな力を感じる時だってあります。でも去年の3月11日には、神も仏も無いとも思いました。
本を読んで初めてなるほどと思ったのは、一神教と多神教の違いや、死後の世界を設定している(だんだん住人は増えていきます)のと、輪廻転生(生まれ変わるので増えません)を説いているのとの違い。「宗教」に対するのは「哲学」かなぁと思っていましたが、「世俗」らしいこと。
わかりやすそうだと思って読み始めた本ですが、じっくり読んだにもかかわらず、だんだんややこしくなりました。本、返しに行きます。まっ、良いや、私はこれからも宗教音痴のままでしょう。でも宗教曲を歌うのは、かなり好きです。