2011年 12月 03日
手を握り締めてくれた伯父 (12/3)
伯父は秋に、末期の胃がんがわかりました。ある時期から全くがん検診を受けなくなってしまい、本人も家族も、高齢や夏バテのせいで調子が悪いと思っていたそうです。わかった時にはもう手の施しようが無く、食べ物から栄養を摂ることはできなくて、点滴だけが伯父の命をつないでいます。
伯母はその心労で食べられなくなって倒れてしまい、同じ病院に入院しました。
伯父は入れ歯をはずしているので、言っていることは私にはわかりにくいのですが、頭ははっきりしているので、親戚の者が次々行ってはおかしく思うのではないかと心配でした。運よく近くに、ちょっとした用があったので、ついでにおじちゃんの顔を見に来たよということにしました。痩せて小さくなってしまった伯父ですが、私が行くと、ニッコリしてくれました。手を動かして何かを言ってくれたので、私も手を差し出すと、思いの外しっかりと握りしめてくれました。その手は温かくて、久しく感じたことのない、もしかしたら、お父さんの手だったのかもしれません。
父のこと、この間亡くなった別の伯母のこと、もっとたくさん話をしたかった、聞いておきたいこともあったのですが、その手を握り返すことしかできないでいました。
伯母は車椅子なのですが、しっかりと話せて、バリアフリーのお家で、それなりに暮らしていました。でも1週間ほどの入院で、すっかり弱ってしまったようです。私に「わざわざ来てくれて、ごめんね。これから帰るんだったら、暗くなってしまうね、気を付けて。」と気づかってくれました。
母が亡くなってから忘れていた、老人病棟の、何とも言えない、生気を吸い取られてしまいそうな重い空気を感じ、肩で息をしながら、病院を後にしました。
写真は、明るい物を。遅れてきた、誕生祝いです。白の足袋型ソックスには、めで鯛のプリントが。和服を着たくなりますね。ありがとうございます。
写真のアップありがとうございました!
おかげさまで、今年も飾れています。道路の雪は怖くて嫌いですが、庭が白くなってくれると、クリスマス気分は高まりますね。