2010年 04月 27日
期待させちゃってごめんなさい
さて、第2弾は・・・ドキドキしますねぇ、と期待させておいてすいません。「50歳からの楽しい楽しいひとり時間」(三津田富左子著)でした。
私には切実な問題なので、「これだ!」と思ったのですが、半分失敗でした。著者は1912年生まれ、50歳でご主人を病気で亡くされたというあたり、私にはうってつけと思ったのですが、この方、半端じゃないポジティヴシンキング。結論は「ひとりでいる時間を大切にして、前向きに楽しく生きる。」でした。三津田さんには、娘さんが近くにいらっしゃるし、第一、考えを前向きにコントロールできないから辛いのであって、誰もが前向きになれたら、精神的に病むことなど無いわけで・・・前向きになるにはどうすれば良いかを教えてくださいよ、とかなんとか、心の中で文句を言ってみる。それにこの方、まれにみる健康な方のようで、自分の意志だけではどうにもならない健康問題はどうしてくれるのよ。
一人暮らしの幸せは「音楽をかけたまま、ドアを開けっ放しにしてお風呂につかり、あがってそのまま素っ裸で冷蔵庫から取り出した缶ビールを、ぐいっとあおった時」だそうで、これはわかります。「年齢にとらわれない」「偏屈一歩手前の頑固者でけっこう」「思っているほど他人は“自分のこと”以外に興味がない」(そうじゃない、暇人もたまにいるから難儀するけど、そういう人って自意識過剰なのかな)「女は死ぬまでお洒落でなければ」とか、共感できる点はたくさんあります。
特に、これだと膝を打ったのは、こんな方ですから、「死」に関しては、祭壇も法要もいらない派」です。「死ねば万事終わりであとは何も残らない。」と言いきっています。面白いのは「自分の日記や手紙も整理しない。」という点です。死んだ後に人が読んでも、自分はもうこの世にいないのだから、どうということもないのだそうで、そりゃそうですね。
もっとおもしろかったのは、「お棺の蓋を閉じるとき、もう1度生き還っていないかどうか、確かめてほしい。」です。それは、大切かもしれません。
三津田さん、ご近所に住んでらしたら、私は喜んで孫になります。
さて次は、家田荘子さんの「不倫のルール」とか「略奪愛のルール」などは、どうでしょうね。やっぱり、三津田さんの「50歳からの満足生活」の方が、良いでしょうか。
私にとって、今ポジティブであるかどうかの尺度は、本が読めているかどうかです。心身が不調の時期には1ページも読めませんが、調子が上向きの時には2冊も3冊も抱え込んでいます。そうした、自分の心身のありようを測る尺度を何か持つと、生き易いのかも知れませんね。
「本を読めるかどうか」、なるほどです。不調の時に本を読んでも、文字しか追ってないんですよね。