2010年 03月 31日
母からの「春がきたよ」
(科学的な意味ではありません)自分の境遇を恵まれているのだよと、頭では理解しているのですが、心はすぐに、生きていくのってめんどうくさいかも、とくじけます。あんなに、夫の命をつなぎとめたかったのに。あ~ぁ、私って、本当に情けないほど正直。
ちょうど2年前の、3月31日消印の、母からの葉書を見つけました。もちろん、グループホームの職員さんが書かせてくれたのですが。ぬり絵になっている葉書に色を塗り、自分の名前と「春がきたよ」と書いてくれています。夫が亡くなって、1か月半過ぎの頃です。
つい1週間前に、コンピューター制御の2種類を含む、5種類もの点滴の管につながれていた母は、強靭な心臓を持っているのか、それらもはずれて、弱ったなりに落ち着いています。強靭な心臓はつまりは、生きるという意志の力、なのかもしれません。ほとんどコミュニケーションはとれず、限りなく寝たきりに近いのですが、母の姿を見ながら、「生きている」ことの定義とか、自分ならどうしたいだろうかとか、色々考えます。
ミュージカル札幌公演のオファーを受けた時、そのままののりで「行きま~す!」と言いきれなかったのは、目標を22日に置いていたから、もうこれ以上できないという気持ちと、母のことがありました。
春がきたんだよね、お母ちゃん、私札幌もやったほうが良いよね。なんて煮え切らないでいたら、中学生が二人参加を決めたという連絡が入りました。私が誇りに思う子どもたちです。勇気をもらったよ、ありがとう。
北海道の春は雪解け。茶色やグレーの中に春の色を見つけたときの喜びはひとしおかもしれないと思う今日この頃です。
肌でそれを感じ表現されたお母様、素晴らしいですね。
そうそう下の福寿草のお写真と文面もそのバランス感覚が素敵だな~と思って見させていただきました!
花達も、冬の吹雪や凍りつく大地を経験してきたはずなのに、そんなことを感じさせないで優しく咲きはじめましたね。
厳しい冬の後の春のよろこびは、力強さがあります。
nyankaiさんの心に咲いたお花も力強く美しいです。
北海道は、本格的な春はもう少し先です。だからこそ、こんな壁紙に、憧れるのだろうと思います。
★ゆのみ子さんへ
もう長いこと、母とまとまった会話はできていません。このはがきは、とても大切なものになりました。
咲いているのはまだ、福寿草くらいですが、畑を見ると、たくさんの芽が出ていることに気付きます。
毎日朝がくるように、春も必ず来るのですね。