2017年 01月 18日
凍土の緑のハコベ (1/18)
台所のドアから、雪の無い、ガチガチに凍りついた畑に、不釣り合いにも感じるほどの緑が見えます。北海道では比較的温暖な地域とは言え、数日前は-10℃を軽く下回っていた気候の中で、希望をくれる緑です。小さい頃、祖母の家にニワトリがいて、この草を食べさしたっけ・・・そう、ハコベです。
寒空の元、腰をおろしてハコベを見ていたら、ある歌のフレーズが浮かんで、グルグル回りました。「ツンツンツンツン凍った堤」、え~と何だっけ「ひ~とりぼっちの次郎が・・・」「じ~ろう~じ~ろう~見てごらん~ 北極星はじ~っと1人でひ~かって~る~」
「次郎物語」です。脚の悪い私は、かなりのテレビっ子でした。次郎が池田秀一で、すてきなお兄さんだと思っていて、意地悪なおばあさんがいて、次郎はいじめられっぱなしで、でもある時何かをきっかけに、掌返したように優しくなって、何となく承服しかねると思った記憶があるのです。昭和39年の春から1年もの長い間やっていたテレビドラマで、原作は下村湖人による長編教養小説だそうです。
凍った畑の健気なハコベを見て蘇ったのが、その主題歌だったのです。ペギー葉山が歌っていたそうです。あ、わかるわ。
「次郎物語」の次が「路傍の石」で、主人公が理不尽な目に遭うのは、物語として盤石なんだなぁ。池田秀一は、映画で吾一をやっています。いじめられ役が得意か。
いじめられと言えば「小公女」が好きでした。何度も読んだ気がします。お金持ちで幸せなセーラが、一転して不幸になって、最後に又ウソみたいに救われる、う~ん、今はもうそういう展開についていけなくなってしまったかもしれない。
いえ、凍土のハコベの緑色に、励まされた話です。ニャンカイニャンカイ見てごらん、ハコベグサはずっと緑で、生きている。
凍てついた畑のハコベ病む我に
負けるなと励ます緑色