2014年 01月 30日
賢治と時夫 (1/30)
2009年1月に「土の歌」を共演しました。いっちゃんが死んだ翌々日に、オファーが来て、いっちゃんが私のためによこした、と思いました。
オラトリオ「農民・宮沢賢治の祈り」2013 は、超難曲でした。セミナーの、与謝野晶子&松下耕の「明日」が、人生で最高の難しい曲だと思ったのに、その直後に上書きされたようなものでした。私は絶対音感が無いのですが、割と音とり得意なのです。負けず嫌いなので、あわてたし、悔しかったです。同時に、宮沢賢治の詩にも、困惑しました。
誰かが言いました「牧野さんは天才ですから。」私もそう思います。この場合の天才は、努力などしなくて良いと言う意味とは、全く違います。自分を表現するためには、作曲するしかないと思ったそうです。プログラムのご本人(作曲は学んだことは無い)筆によると、幼児が文法を知らなくとも言葉を話せるようになるのと同じで、作曲をすることに何一つ不自由はありませんでした。
天才は、天才であることを受け入れ、その使命を果たすべきだと思います。牧野さんはそれもわかっています。全く農業とは縁のない家に生まれたのに、大学で賢治に触れ、賢治の遺志を継ぐために、30歳で脱サラして農業を始めるなんて、凡人には見当つかないでしょ。
どうしてオーケストラと農業なんだ。酪農をやっている友達は、自然を相手に遊ぶことが大好きで、朝から晩まで、好きなことは何一つやらず働きづめの人生は間違っていると言い切ります。若輩者の息子は、芝居をやっていなかったら、今の仕事なんてやっていられないと言います。両輪なんですね。
宮沢賢治は、未だに大ファンになりきれてはいません。「小さな茅葺の小屋」には住めません。でも、何度も何度も歌いながら、彼の心からの純粋な想いに、寄り添う気持ちが湧きあがってきました。
それゆえに、賢治は長生きできなかったとさえ思います。後を継いだ時夫は、賢治よりもタフに進化しています。外見はそうは見えませんが、脱いだらすごいかどうかは、残念ながら知りません。そうそう、時夫と言えば、毛糸のベストです。セーターだと、袖が邪魔でしょうかね。
北海道農民管弦楽団と牧野時夫、これからも目が離せません。
コンサート感想集:素敵なコンサートでしたね。とても盛況で素晴らしかったです。(札幌70代女性) 和太鼓の僕がかわいかったです。(札幌50代女性)→同感です。 オーケストラと合唱が、お互いを尊重し合って宮沢賢治さんを表現した素晴らしいコンサートでした。コーラスのパートが聴き取れたのは、合唱団の皆さんのレベルの高さだと感じました。(旭川60歳男性)
追伸:iPS細胞に続く、万能細胞を作り出すことに成功したそうですね。小保方さん、30歳すごい。