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ニャンコ座リポート since 2005 April

夢みるニャン子5年生の春 (4/13)

1966年春、ニャン子は5年生を山あいの複式の小学校で迎えた。前年の4年生の時に転校してきた時分は、かなりのカルチャーショックを受け、なかなかクラスになじめず、元の学校に戻ると、母さんに泣いて訴えたのも遠い思い出になるほど、ニャン子は山の子になっていた。
夢みるニャン子5年生の春 (4/13)_d0017084_946896.jpg新しい教科書には、母さんと町まで一緒に買いに行った、ビニールカバーをかけた。カバーは、ピンクや水色や黄色などがあって、リップル加工の浴衣地みたいなさわり心地で、安い香水の良い匂いがした。3年生までは、仲良しの子達はみんな、そのカバーをかけて自慢し合ったのに、4年生の時は、周りの子が誰もカバーなどかけていないので、少し嫌だった。だって、明美ちゃんが、模様のついた包装紙でカバーをかけて来て「こっちの方が良いもん」と怒ったように言ったから。
でも今年はもう平気だ。
窓の外にはまだ雪が残っていて、お日様が照ると、チロチロと音がするように融けだしている下から、明るい緑の草が顔を出す。みんなの騒ぐ声がBGMみたいに流れる教室で、日差しをいっぱいに浴びて、春色の教科書カバーの良い匂いを吸い込むニャン子は、何を夢見ていたのだろう。
けっこうあいまいな記憶ですが、机や椅子は、まだ重たい木だった、それも二つつながっていて、下げる時は二入りで持たないとダメだったような。まだほとんどの子は、6年生までランドセルをしょいました。筆箱は、ファスナーのもあったけれど、私はセルロイドのが好きでした。
新学期の記憶は、陽だまりの香水の香りとつながっているのです。
昨夜のライヴの練習で、セミナーの報告をしたら、姉上が「お尻の割りばし折り」に、多大な興味を示しました。
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by nyankai | 2012-04-13 09:45 | コラムニスト気どり | Trackback | Comments(0)